喪服着用に必要なもののリスト
喪服一式
- 喪服
- 長襦袢(白地で弔事用の紋様)
- 黒共帯(喪服用の黒い帯)
- 帯揚げ
- 帯締め
- 半衿(長襦袢に縫い付けておきます)
- 衿芯
着付け小物
- 腰紐・・・4~5本
- 伊達締め・・・2本
- 帯板(前板)
- お太鼓枕
- お太鼓枕用ガーゼ
肌着
- 足袋
- 和装ブラジャー
- 補整用タオル・・・2~3本
- 肌襦袢
- 裾除け
※またはワンピースタイプの肌着
- 草履(喪服用の黒い草履)
- バッグ(喪服用の黒いバッグ)
喪服着付けのポイント
喪服といえど普段着物を着る時と基本的には変わりはありません。ただ、悲しみを表現すると言う意味でいくつか注意点があります。

肌をあまり見せない
・衿合わせ……少し深めに合わせ、半衿は第一関節分(1~1.5cm)ほど出す
・衣紋……指3本ほど控え目に抜く(くび抜きもなどすべてを控えめに)
・帯揚げ……控えめに出す
・帯締め……帯幅の中心より少し下にして帯締めの房を下向きにする(慶弔時)
・おはしょり……少し短めで真っすぐにする
お太鼓は小さめに
・背紋……背中の中心にたるみのないようにスッキリと
・帯山の位置……普段よりやや低め
・お太鼓……小さめ、たれも短め
不祝儀の黒喪服
近親者は一周忌または三周忌くらいまでは黒喪服です。
染め抜き五つ紋付の黒喪服。帯、帯締め、小物も黒で地紋のないちりめんが主流です。
襦袢、半衿、足袋は白を使用し、ミセス、ミスの区別はありません。
喪服は季節によって、袷(10~5月)、単衣(6、9月)、薄物(8、9月)があり、それぞれを使い分けます。
きれいに喪服を着用するまでの流れ
喪服を着る際に、肌着の着用から完成までの一般的な手順を紹介します。
1.足袋をはく
半分を裏返し、折り返した箇所を持ってつま先を入れると履きやすくなります。後々きものでかがむのは大変なので先に足袋を履いておきましよう。
2.肌着を着用する
肌襦袢を着用します。和装下着ですね。必要であれば補正、その後に長襦袢~着物というふうになります。
3.着物を着る
① 長襦袢を着て、肌の露出は控えめに衣紋抜きをします
② 背縫いを背中の中心に合わせて半衿を固定する襟元を揃えます。
衿合わせは深めに。半衿は細めに。(1~1,5㎝ほど)
③ 左手で背縫いを右手と同じ高さに持ちます。
着物をわきの下まで持ち上げてから身体に沿わせ、慎重に床の高さすれすれまで平行に下ろします。
④ 上前幅を決めてから、下前も同様に決めます。褄(つま)を床から15cmほど上げてから決めましょう。
⑤ 上前が足の甲に少しかかる位置で腰紐を結びます。
⑥ 身八つ口(みやつぐち)から左右の手を入れ、後ろから前にすべてを下ろして整えおはしょりを作ります。
背縫いが背中の中心に来ることを確認しながら、衿を持って上から下の順に深く合わせ、衿合わせをします。
⑦ 長襦袢の衿に沿って下前の衿を整えます。胸紐(むなひも)をかけて、アンダーバスト下の2~3cmくらい後ろでクロスさせ前に戻して2回クロスさせてからわきの下に挟みます。
⑧ 前後のしわは両脇に引っ張り、ダーツを作るようなイメージで両脇をきれいにまとめます。
4.帯を締める
おはしょりを整え、伊達締めを締めたら全体チェック
5.完成
ここまでで問題がなければ喪服の着付けは完成です。
まとめ
- 半衿は、慶事ではお好みで広めに、弔事では控えめに出します。
- 帯揚げは、慶事は多めに見せ、弔事は控えめにします。
- 帯締めは、慶事は房を上向きに、弔事は下向きにします。
- 衣紋は、慶事では普通~やや抜き気味に、弔事では普通~やや控えめに決めます。
- お太鼓の大きさは、慶事では大きめに、弔事では控えめにします。
- お太鼓の高さは、慶事では高めに、弔事では低めにします。
- 着物の丈(裾線)は、慶弔いずれも床すれすれの長さに決めます。(礼装は長めにします。)
- 5つ紋付き(もんつき)の喪服は袖の抱き紋・背中の中心に背紋が中心にあることが必須条件です。この位置がズレていると目立ちますので正確なバランスをとるように気をつけましょう。
- 帯締めはコーリンベルトで補強したほうがいい場合があります。記述にない手順でも着崩れ防止に必要な場合は各自で工夫するようにしましょう。